「賃貸住宅を建てる前には、何社かに相見積もりを依頼したほうがよい」
というアドバイスがネットや本でよく書かれている。
わたし自身の経験からいうと、
建築費用を明確化するだけでなく、
その工務店・ハウスメーカーの考え方がよく分かる点
だと思う。
地元密着の工務店の印象
地元密着の工務店の場合、施主の住居専用住宅を建てることが多い。
そのせいか、賃貸併用住宅を建てることにはあまり慣れていない場合が多いと感じた。
以前、いくつかの地元密着の工務店に賃貸併用住宅の見積もりを頼んだところ、どこも、
施主の住宅部分ばかりグレードを上げようとし、賃貸部分のグレードを落とそうとする傾向があった。
地元密着の工務店・ハウスメーカーの場合、どうしても
施主(建築依頼主)の住居>賃貸部分という意識が抜けないみたいだ。
「人に貸す部分なんだから、賃貸部分はスペックは低くて当然」
「施主の住居部分こそグレードを高くせねば」
という上から目線がどうしても抜けないようだ。
だからこそ、必要ならば施主自らその点を正す必要がある。
たとえば、賃貸部分のコストを下げるために、賃貸住宅のお風呂をなくしてシャワーに変更する提案をしてきた工務店もありました。
賃貸部分の面積が狭いならば致し方ない。
けれども、我が家の賃貸住宅はどちらかといえば女性をターゲットにしている賃貸住宅なので、「賃貸住宅にはシャワーだけ」という選択肢はあり得なかった。
「賃貸部分をとりあえず作れば借り手がつく」という時代は終わったのだ。
賃貸部分のグレードを落としすぎると当然、入居者がつきにくくなるので注意しなければならない。
地元密着工務店の不得意分野
見積もりとは直接関係ないことだが、
地元密着の工務店の場合、どうしても営業力で損をしているような気がする。
もったいないなと感じる。
実際、地元密着の工務店が建てた家を見学させてもらうと、
それなりに素敵なお家なのだ。
ところが、地元密着の工務店に何社か見積もりを頼んだところ、
見積書の段階で提案された家の絵(イメージ図)からはセンスが感じられなかった。
見積書の段階で「落書きみたいなイラスト」を見せられることが何度かあった。
これはものすごく損をしている。
完成後の家をイメージしにくいような「落書きみたいなイラスト」で
契約が取れると思っているのだろうか。
落書きみたいなイラストを見ただけで納得して、
注文住宅という数千万単位の高い費用の買い物に応じるお客さんが、
世の中には普通にいるのかもしれない。
でも、素敵な外観予想図が1枚あるだけでも印象がガラッと変わるのに、
もったいないなあと思う。
この点、大手ハウスメーカーはそういうイメージ戦略を使った営業がすごくお上手。
ただ、大手ハウスメーカーが営業上手なのは、
素敵な図面を書ける人材が社内にいるからだろうけど。