数年前に建て替える前は、
我が家の賃貸物件はボロアパートだった。
今は亡きこのボロアパートは、
戦後間もなく建てられた築70年の木造住宅だった。
しかもこのボロアパート、
登記簿をみると、
当初は平屋建てで建てられたことがわかる。
いつ頃かは分からないが、
途中でリフォーム(増築)して2階建てになったらしい。
増築された物件の場合、
登記を変更しないことも多いようだ。
登記の変更にはお金がかかるし、
リフォーム後は違法建築になっている場合もあるからだろう。
このボロアパートの管理は、当初は叔父が、
叔父が亡くなった後は実父が行っていた。
だから、いつごろ増築したのか、
いくらで貸していたのか、
良く分からない。
我が家がボロアパートを所有していた経緯もあって、
ボロアパートに惹かれる私だ。
大都市にもボロアパート
東京という都市の面白いところは、
新宿・渋谷・池袋・青山などの
大きな街に、駅から徒歩10分以内にボロアパートが残っていること。
こういう大都会の駅から歩いて帰れるところに、
月額3万円台でボロアパートを借りることができる。
日本の民法では借家人の権利が守られていて、
立ち退きが難しいこともその原因のひとつだろう。
ボロアパートは家賃が安いせいか、思いのほか人気で、
満室のボロアパートもたくさんある。
ただ、時代の流れだろうか。
ここ数年、ボロアパートが取り壊されるのをよく目にする。
ボロアパートあるある
築年数の「怪」
ボロアパートで気になるのが「築年数」。
インターネットにもボロアパートの賃貸広告がたくさん掲載されている。
でも、ボロアパートの場合、築年数が怪しいものが多いような気がする。
たとえば築40年と広告に記載されているが、
見た目からいってどうみても築60年は経過していそうなボロアパートも多い。
たとえば、我が家の近所にあるボロアパートはネット広告で「築42年」と掲載されているが、
実際は築50年以上経っているはずだ、と母は言う。
ボロアパートの築年数を操作するのは不動産業界のお約束なのだろうか。
嘘を掲載すると虚偽広告になりますので「築年数不明」とするのが無難だ。
実際は登記簿をみればボロアパートの築年数が判明するが、
家を借りる際にそこまでする借家人はごくわずかだろう。
ボロアパートの特徴「外階段」
最近は、室外に取り付ける階段(外階段)ではなく、
家の中に階段を取り付ける(内階段)の賃貸住宅が増えてきた。
外階段のデメリット
外階段のデメリットとしては、以下の点が挙げられる。
・設置コストが高い
・屋外に配置されるから手すりが錆びるなど、定期的なメンテナンスが必要
・各部屋に行くのに外階段や共通通路を通るため、他の住人と顔を鉢合わせることが多い
外階段はコストが高いうえに、
他の住人と鉢合わせることを住人も好まないため、
最近は内階段が増えている。
一方、2階建てのボロアパートはたいてい外階段だ。
外階段の物件が少しずつ減っているから、
いずれは、外階段というと懐かしい風情を感じるかもしれない。
まとめ
最近はどんどん少なくなるボロアパート。
ボロアパートがどんどん取り壊される前に、
ボロアパートの写真をたくさん撮っておこうと思っている。